2014年8月20日水曜日

MMA殿堂入りを妄想してみる:微妙な候補者たちその1 ニック・ディアスの場合

    殿堂入りの賛成意見
この世にニック・ディアスはたった一人しかいない。
エキサイティングなファイトスタイルと物怖じしない性格で、この業界で最高にユニークな人間になった。
スタンドでもグラウンドでも常に攻撃するし、大抵は挑発もしている。
ディアスがカロ・パリジャンやディエゴ・サンチェス、五味隆典と繰り広げたような激戦を1試合でも見せられるファイターはほとんどいない。
ストライクフォースでウェルター級王座も獲ったし、GSPUFC王座にも挑戦した。その王座戦はUFC158だったが、近年で最もPPV購入数を稼いだイベントのひとつとなった。

    殿堂入りの反対意見
疑惑の判定が多いとはいえ、ディアスは中堅相手に負けが多い。勝ちの多くも全盛期を過ぎた相手からのものが多い。結果だけ見ると、言うほどすごくもないということだ。

    判決
殿堂入りするべきかと言えばおそらくノーだ。だが、今後数年で何が見れるのかによってはさらに議論を重ねてもいい。

2014年8月3日日曜日

ニック・ディアスはシウバと闘うことに興奮はしない。この試合は「やらなきゃいけないこと」。

 ニック・ディアスはUFC183でアンデウソン・シウバと対面するが、それは二年ぶりの試合になる。これだけ久しぶりの試合だからニックは情熱をもって復帰すると思うかもしれないが、実は逆だ。ディアスの決断は必要に迫られたからであって、情熱から来たものではない。水曜のメディアコールでディアスはこの試合にワクワクしているかと訊かれたときに、それが明らかになった。

「俺は闘いを楽しまないんだ。この業界で(ワクワクしているなんて)そんな言葉は使わない。もし死ぬほど腹へっててもうすぐメシが来るみたいな時になら多分使うかもな。ワクワクするってのはそういうことだ。ていうか何日か休めるってんならワクワクするけどな。」

半ばディアスの独壇場だったセッションで、長い質問、シウバのパロディとフォレストガンプからの引用のせいで記者はディアスに怒られた。ディアスはしっかりとこの試合が仕事であることを指摘した。それ以上でも以下でもないというわけだ。

「俺は誰にもファイターになることを勧めないね。ファイトってのは楽しむもんじゃねえよ。やらなきゃいけないと感じてるだけさ。そういうこった。」

 元ストライクフォースチャンピオンは2013年にGSPに負けて以来試合していない。
その試合後、彼は引退を発表した彼はその言葉に忠実だったが彼の復帰はずっと予想されてもいた。そして今ディアスは長い休息だったと言い張る。

「本気で引退するなんて言ったつもりはないぜ。格闘技は引退出来るもんじゃない。やりたくない試合を誰かのためにやってんじゃない。自分のためにでもない。とにかく休みが必要だった。引退とかしない限りUFCでは休めないんだよ。」

ディアは最近UFC3試合延長契約を結んだ。シウバとの試合を含むこの取引はどうやら彼を引退から引き出すには十分だったようだ。

「オファーは色々されたが、丸一年の間ずっと興味のない試合ばかりだった。俺は自分の人生と向き合うし、そうしてきたんだ。座って話し合うことが出来たってことだ。」
「これは俺がやりたいと思える最大のビッグマッチを探してた。いつも通りにな。18からそうやってきたんだ。で、UFCに来たってわけだ。」

ファイトマネーには不満を述べてきた彼だが、今回の契約には満足しているようだ。

「文句は言わない。これ以上のものは望まない。この契約には満足しているよ。中々つらかったね。特に他の3人(訳注:シールズ、メレンデス、ネイトのこと)が払われるべき額を貰えてなかったときには。」

 キャリアの大半はウェルター級だったが、今回ディアスはミドル級でシウバと闘う。だが、ウェルター級への減量には苦労してきたのでそれが問題だとは思っていない。

「体重けっこうあるんだよ。減量には大体苦労している。特に連戦してる時は170ポンドにするのはつらいんだ。ミドル級にするのは楽だ。だから闘いの日々に戻るのもすぐに出来る。」

もうすぐ31歳になるディアスは200ポンド近いと言う。彼は階級を行き来出来ることは彼の強みになると信じている。

「どの階級でもやれると思ってたこともあるが、今は昔よりは体もデカくなった。160170185、たぶん155ポンドでも闘えると思ってたのさ。弟なら今でも出来るんじゃないか。」

 シウバvsディアスは現実のものになったが、その試合で何が起ころうともディアスが闘いを楽しむことを期待してはいけない。彼によると、闘いを楽しめるというやつは皆嘘をついているそうだ。


「誰も傷つけたくない。俺は暴力的な人間じゃない。俺は特に暴力は楽しめない。人が何度も傷ついていくのを見るのは嫌なんだ。『誰かを痛めつけたいんだ。』だの『闘いが好きだ』だの言う連中がいるが・・・俺からすりゃ『このクソ野郎』って感じだ。」

ニック・ディアスとMMA戦争

先日、ネットサーフィンをしていたところ、とんでもないニュースを発見。


ニック・ディアス復帰

さらに、その翌日ぐらいに新たなニュース発見。

ニック・ディアス vs アンデウソン・シウバ決定


うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!(声にならない叫び)

これは嬉しい。というかこんなに嬉しいことはない。

だったらさっさと関連記事を翻訳しろということなんですが仕事が忙しく、出来ませんでした。

と、いうわけで今回はSherdogの最新記事を翻訳します。相当意訳してます。
やってみたらかなり長くなってしまったしディアス本人のコメントはいっさいなかったという。


 ただの業界競争がこんなにプロモーターを動かせるなんて驚きだ。

 苦戦する米国内PPV購入数、FOXの低視聴率、スコット・コーカーとリック・チョウのベラトール就任。今年はぱっとしなかったし来年は何とかしてほしいというファンはこれらの決まり文句でUFCはステップアップしないといけないという。


 ここ数年、UFC社長ダナ・ホワイトはViacomUFCのビジネスモデルにとって脅威であると泣いていた。ビヨン・レブニーがベラトールのCEOだった時は、UFCのコアPPVビジネスにとって大した脅威ではなかった。ところが、ベラトールの初のPPVでジャクソンが期待以上の成果を出して、突然その脅威が現実的になった。そしてPPVが金になったのでViacomは今後のイベントのために大金を使ってもいいことを正当化出来た。ベラトールがPPVをするたびに、UFCの対抗馬がいるということを見せつける。UFCの国内購入数は多くなりすぎて停滞気味だが、だからといってMMA人気が終わったというわけではない。

 期待以上だったベラトールのPPV購入数とコーカーのMMA復帰の結果、UFCViacomMMAへの資金投入に予定より早く対抗策をとることになった。

 95日コネチカットで2団体が真っ向勝負する。ベラトールがMohegan Sun Areaで、UFCFoxwoods Resort Casinoで大会を開催する。さらに、927UFC178ラスベガス大会でジョン・ジョーンズがダニエル・コーミエ相手に王座防衛に臨み。噂ではこの大会で現ベラトールライト級チャンピオンエディ・アルバレスとドナルド・セラーニが闘うらしい。それだけでなく、UFCはロンダ・ラウジーと闘わせるためにホーリー・ホルムと契約しジーナ・カラーノとも交渉中だ。.

 しかしながら、それよりも重要なことが729日に起きた。ESPNでダナ・ホワイトがスーパーボールウィークエンドのアンデウソン・シウバ対ニック・ディアスを発表したのだ。試合はミドルウェイト、ラスベガスで行われる。ディアスにとってはベガスに戻るのは今のところ面白い旅になるだろう。

 大物とはいえ2連敗している2人の試合がこんなにビッグファイトとして受け入れられることを誰が想像できただろう。いや、皆想像出来ていた。

MMAファンの記憶力は弱くなりがちだ。前にディアスはGSPにパウンドされていた、その前は後ろに下がり続けるコンディットにイラついていた。なのに、おそらくUFC至上最高のファイターと闘える。シウバはウェイドマンとの残虐な2連敗からの復帰戦だ。だがウェイドマンを見ろよ、彼はチャンピオンの価値以上のものを持っている。シーザー・グレイシーはシウバの顎は弱くなっていると言うが、ちょっと待て。シウバはキャリア後期のチャック・リデルのように脆くない。

色んな雑誌によるとディアス勝利の確率は25%だが、コアなファンはほとんどディアスに注目している。この男はスターだ。しかし、何かおかしい。注目が下がった後にはさらにまずい。

シウバは怪我からの復活をもくろんでいる。キャリアが終わるほどのケガだった。復帰するだけで驚きだ。彼の強い意志がうかがえる。シウバが復帰戦で勝利するというのはいい話だ。しかし、ディアスも反体制な男を見たがるファンには人気ナンバー1だ。今日のUFCでは目立つ。

我々がUFCを愛する限り、試合が5年前と何も変わらないことを認めなければいけない。CG、リプレイ、カメラアングルがあってもFOXは多くのファンが見たいものを提供出来てない。メジャーリーグのような他のFoxスポーツ番組も同じ問題を抱えている。マッチメイクとメディア効果への期待はファンの期待を満たさない。特別なことはもうやりきった。

勝とうが負けようがディアスはファンが注目する男だ。彼は予測できない男でアメリカ人が思うUFCファイターのステレオタイプに逆行する。マット・ブラウンやロビー・ローラー、ドナルド・セローネがケージで暴言を吐いてもファンはただのポーズだと信じるようになっている。UFCは名試合で視聴率とPPV購入数を稼げず、多くのファンは退屈した。視聴率やPPV購入数は嘘をつかない。

 MMAは最早感情的な闘いではない、商品化してしまったとファンは思っている。ディアスはそれをぶち壊す。MMA業界は何でもありのリアルファイトからプロモーターのご機嫌とりだらけのスポーツになってしまったと、ドン・フライのようなレジェンドが叫ぶのにうなずくコアなファンはディアスに惹きつけられる。

ディアスが他の多くのUFCファイターが出来なかったことを何とか成し遂げたのはこの背景に逆らうことだ。ディアスは自分の市場価値を理解している。もしUFCが彼を商品として見ていたら、彼はUFCを同じように商品として見ていただろう。ディアスにUFCが必要なように、UFCもディアスが必要だ。ビジネスのこととなるとディアス兄弟が不良でマリファナ常習者であることの批判は消えてしまう。

 ディアスは何も変わっていない。YouTubeGSPが何百万ドルも稼いでいるのに自分はボロボロのホンダに乗っているんだとわめき、KJヌーンズに指を立て、記者会見には出たがらなかったあの頃と何も変わっていない。

 もしディアスがシウバを倒したら、ウィイドマンに挑戦できるかもしれないとホワイトは言う。ということは、ディアスは自分の意志に反して世界中のメディアセッションに参加しなくてはいけない。


 UFCにおかえり、ニック。Viacomに感謝しな。彼らがここまでやったことでUFCは焦り、ファンが望む試合を組んだのだから。